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Re: 『パプリカ』公開 サウンドトラック発売
投稿者: 高橋かしこ 投稿日時: 2006/11/29 23:10
先週末より『パプリカ』が公開され、それに先んじてサウンドトラックもリリースされました。
わたしも本日、池袋で観てきましたが、平日の1回目だというのにひとの入りもよく、ひと安心(笑)。
(ただ、スクリーンの大きな新宿で観るべきだったとちょっと後悔)
やはり1回目では気づかなかった新たな発見などもあり、理解も感動も深まりました。
1回目は映像に圧倒されちゃいましたからね。
また、最初は原作と同じ点に目がいきましたが、今回は逆に原作と違う点、オリジナルな部分に目がいきました。
つまり、小説世界をどう映画化したか、ではなく、映画としてどうだったかに力点を置いて観られたと言いましょうか。
そうやって観点を違えるだけで、かなり作品の見え方も違ってきて、別な楽しみ方ができました。

サウンドトラック・アルバムは『妄想代理人』の時のような意外な展開はなく、けっこうあっさりした仕上がり。
アウトテイクが無料配信されていますが、ほんとはアルバムに入れようと思えば入れられる素材などもあったでしょうに、今回はストイックにまとめたようです。
映画で使われていながらアルバムには未収録という曲もあったような気がしましたが、映画を再見したところ、それは思い違いだったようです。
では、映画が観たくなるような(?)ひと口解説。

01:パレード

ヴォーカル入りの『白虎野』ヴァージョン。
映画には使われていませんが「元」になった曲ということで収録。

02:媒介野

オープニング・テーマ。
「白虎野の娘」のヴァリエーション的なインストゥルメンタルですが、パプリカのキュート(筒井風)なキャラクタアに似つかわしいアレンジ。
個人的に非常に好きで、これと「パレード(instrumental)」だけでもサウンドトラックの価値あり、と言えましょう。

03:回廊の死角

夢のなかの探索シーンで不安をかきたてる。

04:サーカスへようこそ

映画では冒頭から使われる、サーカス会場のジンタ。
粉川のテーマ曲と言えないこともない。
ちなみに「ジンタッタジンタッタ」と聞こえるからジンタというのはほんとでしょうか。

05:暗がりの木

理事長の植物園のテーマ曲。
曲単体で聞くと心地いい和めるナンバですが、映画ではそうではありません(笑)。

06:逃げる者

夢のなかのチェシング・シーンで使われる曲。
「覚醒させて!!」のテーマとでも言いましょうか。

07:Lounge

ヴァーチュアル・バー Radio Club で流れる平沢ジャズ。
Webのインタヴューでは、監督のダメ出しがあって、作り直したふうなことを語ってます。
http://listen.jp/newtype/hot.aspx?inc=sp_paprika
前の書き込みでスウィングと表現しちゃいましたが、実際に使われたのはビッグ・バンド風ではなく、クァルテット(ピアノ、ヴィブラフォン、ベース、ドラムス)風のほうでしたね。

08:その影
乾理事長のテーマ曲。
って、なんの解説にもなってないな。
ダース・ヴェイダーだと思ってください。

09:滴いっぱいの記憶
敦子のテーマ曲。
敦子とパプリカではまったくキャラが違うわけですが、敦子とパプリカ、それぞれがお互いを内包しているということが、音楽でも表現されています。

10:追う者

夢のなかのチェシング・シーンで使われる曲その2。
って、まんまですね。
シダの香りがします。

11:予期

昆虫・小山内と植物・乾の歪んだ人格が投影された夢のテーマ、でよいのでしょうか。
羽音っぽいのが不気味ですが、映画だともっと気持ち悪いです。
あ、映画のなかで「気持ちワリー」はいい台詞です。
後半、平沢進の生声っぽいコーラスが入ってくるとこもいいです。
で、曲のアウトロと次曲へのつなぎがまたいい感じ。

12:パレード(instrumental)

実は映画で使われたのは、これとも違う曲なそうです。
映画では曲の使われ方は断片的なので、よくわかんないんですけどね。
つまり、これも「元曲」ということで収録。

13:白虎野の娘(パプリカ・エンディングテーマ)

アルバム『白虎野』タイトル・チューンの改作。
平沢リスナであれば、説明不要でしょう。
歌詞からはヴィエトナム色がなくなっています。
アレンジも「媒介野」っぽく女声コーラスが入っていたりします。


EXTRA TRACK: 平沢進short movie 白虎野の娘

登場するのはアリとか油田とかヒラサワとか(笑)。
やはり「胡蝶の夢」といった趣で、幽体離脱したヒラサワが蝶になります。
ジャケット写真にも使われたこの蝶は、映画でも重要なシンボルとして登場します。

あ、思いのほか長くなってしまった。