動作検証用Weblog

発掘原稿: Limbo-54 への道 (6)

インタラクティヴ・ライヴ「Limbo-54」とAMIGAの仕込みに関する発掘原稿です。
2002年のことを2003年になって思い出しながら書いているようです。
文章の最後に『来なかった近未来』より SuperGenSX に関する解説を引用しました。
『来なかった近未来』には平沢進が Video Toaster と SuperGen に関する抱腹絶倒エピソードが掲載されています。


Interactive Live 2003 への道 — その6 SuperGenSXがんばって篇

ToastScan 購入前にSoftwareHutに聞いた話では、 ToastScan は SuperGen を含むほとんどすべて(almost any)のGenlockで動作可能とのことでした。
しかし、Hutに問い合わせると、以下の答え。

SuperGenは古い製品だし、なにか問題があったはずだ。
コンデンサかなにかを付け替えれば解決できたはずだが詳しいことはわからない。
後継機の SuperGenSX なら動作するはずだが、在庫はない。
GVPのG-LOCKならちゃんと動くし、まだ売っている。

しかし、平沢さん的にはG-Lockではダメなそうです。
G-Lockは面白い機能があるけれども、かつて「地獄を秘めている」ことが発覚したらしい(笑)。
それに対してSuperGenを使う理由は「SuperGenは“ナイト”あるいは“武士”のような忠誠心をもってARexxに応答」することにあるそうです。
この「ARexxコマンドに対する美しい応答」はライヴで映像業者が持ち込んだプロ機器との連携においても数々の武勇伝を残し、また、いざという時には手動制御も可能という危機管理においてもスグレモノらしいです。

というわけで、 ToastScan で使えるらしい SuperGenSX を獲得する方向で動くことに。
その前に SuperGenSX の動作保証の言質を取るべくHutとの文通したのですが、どうも話がかみ合いません。
やっと得た答えは…。

G-lock以外のGenlockはテストしていないけれども ToastScan は100個出荷して未だ苦情はないので、たぶんどんなGenlockでも動くだろう。
SupergenSXもたぶん動くはずだが、テストはしてないので確約はできない。

こらこら、しょーがないね、まったく。

結局、 ToastScan で動く保証はないものの、望みをかけてネットオークションでSupergenSXを物色することにしました。
意外とブツは早く見つかり7月23日、カナダから SuperGenSX が到着いたしました。
しかし、届いた SuperGenSX は正常動作いたしませんでした(泣笑)。
ヴィデオソースとAmigaのRGB出力をミックスしてコンポジット出力するGenlockモードは正常なのですが、なぜだかヴィデオソースなしでAmigaのRGB出力だけをコンポジット出力するStandAloneモードでは働きません。
英文マニュアル片手に試行錯誤するも同じ。
壊れてるっぽいです。

う〜ん。

ただ、こんな SuperGenSX でも ToastScan との相性を見ることではできそうなので、テストします。
ToastScan なしで15kHzモニタにつなげると SuperGenSX のRGBパススルーからは正常に出力されます。
しかし、ToastScan をつけると、SuperGen の時と結果は同じ。
ToastScan はバイパスしてしまってスキャンダブリングしません。

う〜ん。

とりあえずカナダの売り主に、返品・返金の要求を出しましたところ
「こっちではずっと完璧に動いていたが、ダメつーなら送り返しやがれ」
という返事が来ました。
しかし、そのくせいざ返品しようとすると、使い方が間違っているとか、それで仕様だとか、なかなか返品&返金を承諾せず話はこじれ、逃げようとするカナダ人にしつこく迫りまくること3か月。
ようやく11月半ばに返品を受け入れさせ、本体価格を返金してもらい SuperGenSX はカナダへ帰っていきました。

しかしながら、たとえ ToastScan に適合しなくとも SuperGen はライヴのバックアップ用にもう1台必要なため返品交渉と並行して代替品を物色していたのですが、なんとカナダ産の半額でアメリカ産の上物をゲット。
マニュアルやソフトは附属せず本体のみでしたが動作確認したところ、ばっちりでした。

さて、ToastScan問題の解決に動いている間、Amiga本体のほうはうまく動いていたかというと、そういうことはまったくございません(笑)。
次回、A4000が萌えます。


『来なかった近未来』より
一般的な映像用語ではGenlock(Generator Lock の略/ゲンロック/ジェンロック)とは基準となる信号に合わせて複数の映像の同期を取ることを指す。そこから転じて、AMIGAにおいては、カメラやVTRなどの映像ソースとAMIGAの画面出力とを合成してヴィデオ出力する機器を指す。Digital Creations社の SuperGen はAMIGA用の代表的ゲンロックで、後継機に SuperGenSX がある。

SuperGenSX

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