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1 「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言
kasiko
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高橋かしこ 2006/6/13 18:17  SITE  MAIL  [返信] [編集]

平沢進インタヴューがWeb掲載された。

「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0606/12/news005.html

インタヴュアは映像系エンジニア/アナリストの小寺信良さん。
本文中でも触れられているが、小寺さんは2000年のインラクティヴ・ライヴ
「賢者のプロペラ」で要素技術支援プロジェクト・スタッフとして
ネット・イヴェントをサポートしてくださった元FAMIGAメンバでもある。

そういうことは抜きにしても、小寺さんは信頼できる書き手として
わたしはよくWeb上の文章を拝読させてもらっている。
製品レヴューにしても、理念的な文章にしても、
非常に鋭くかつわかりすいので、勉強になる。
「信頼できる」とかいうとどうも正義・不正義という概念が出てきそうだが、
小寺さんは技術畑の人でもあるせいか、
そういう朝日新聞のTVCMのような胡散臭さとは無縁である。
インタヴューを読んで興味がわかれた方はほかの文章も読んでいただきたい。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/column/kodera.html
http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/kodera.html
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/backno/zooma.htm

話は逸れるが、わたしはふだんから正義感に基づいて仕事をする人より、
自分の職業意識に忠実にクオリティを追求する職人的気質の人のほうを
信用するようにしている。
正義感は目を曇らせるが、職業意識は目を覚めさせる。
だって、正義感を振りかざしてたって、目のきれいなネジなんて切れないでしょ?
実は文章書きだって同じなのである。
職業意識に忠実であれば、自然と誠実で謙虚になるし、クオリティは上がる。
読者なりユーザなりにとって喜ばれるもの、役に立つものを提供できるはずである。
と、自戒を込めて言ってみます。
(ここらへん呉智英の「医者の知性」という手塚治虫評の影響かも)

さて、肝心の記事のほうであるが、著作権についてよくわからない
という人はぜひ読んでいただきたい。
当事者ではないわたしの立場で具体的な言及は避けるが、
DIW/SYUN再発中止の原因もわかってくるのではないだろうか。
音楽をめぐる著作権問題を複雑にする原盤権や出版権などの
著作隣接権については、リスナも知っておいて損はない。
いや、損をさせられないためには知っておいたほうがいい。
搾取されているのは、音楽家だけでなく、聴き手も同じなのだから。

(あ、珍しくオチのついた文章)


「補償金もDRMも必要ない」... 高橋かしこ 2006/6/13 18:17 ←いまここ〜
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