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1 | ROCK is LOFT !? |
kasiko Webmaster |
高橋かしこ 2006/6/8 16:43
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[返信] [編集] ニュースで触れておいたが、新宿ロフト開店30周年を記念した2枚組の コンピレイション『ROCK is LOFT 』に「美術館で会った人だろ」が収録される。 P-MODEL音源がコンピレイション盤に収録されるのはよくあることだし、 しかも、オリジナル・アルバム収録曲からの選曲となれば、 非常にどうでもいいのではあるが、 この『ROCK is LOFT』という企画はちょっと面白い。 どう面白いかというと、コンセプトがよくわからないのである(笑)。 まず、P-MODELが収録されたユニバーサルからの「Purple Disc」であるが 「3コードの美学/テクノ&ニュー・ウェイヴ時代の到来」 というサブ・タイトルがついている。 これは「3コードの美学」を「テクノ&ニュー・ウェイヴ時代の到来」が修飾した ひとつのサブ・タイトル、というわけではもちろんない。 別々のふたつのコンセプトでバンドを集め、 しかも盤によって棲み分けているわけでもないので、 よくわからないものになっているのだ。 フリクション〜P-MODEL〜プラスチックス〜ヒカシュー〜電気グルーヴ という流れはまだわかるが、ザ・ブルー・ハーブをはさんで、 ジュンスカ〜アンジー〜ポゴ〜ケンヂ〜レピッシュというバンド・ブーム世代のグループが続く。 タマが少なくてこうなった、というならまだわかるのだが、 他社のアルバムに収録されているバンドを集めれば、 パンク/ニュー・ウェイヴやテクノ・ポップだけで1枚を構成することはできたと思う。 この手のコンピレイションというのは、 さまざまな利権と思惑、義理と人情(笑)があいまって、 構成者の思うようにできないことはよくあることだし、 大人の事情ががあるのはわかるのだけど、 これじゃあ結局、売り上げに結びつかないんじゃああるまいか。 「プラスティックスじゃなくプラスチックス」「電気グルーブじゃなく電気グルーヴ」 と突っ込みも入れたくなる。 http://www.universal-music.co.jp/loft/ こういうコンピレイションというかオムニバスというのは、 古い音源を持っていないような若い世代に買わせるにせよ、 すでに欲しい音源はだいたい持ってるような年配者(悪かったな)に買わせるにせよ、 「これがウリでございます」というわかりやすさ、ひとつの作品としての新しさ、 大げさに言えば世界観のようなものがなければだめなんじゃなかろうか。 そいうのがなければ、聴いていて気持ちいい流れというのも生まれてこないし、 商品性も低くなる。 一時期、洋楽でバカのように売れたオムニバスは、音楽性はばらばらであっても 「全米No.1」とかそういうククリがあったからこそ売れたのである。 もしくはどこで切っても同じな金太郎飴的選曲の水商売系コンピとか。 普通に考えれば、ロフト30周年がテーマだとしても、 10枚もCDを作るなら時代もしくはジャンルで切るのが常套手段である。 たとえば、バンド・ブーム世代とそのフォロワー的な現在のバンドでコンパイルするとか。 そうしないのは、なにか理由があるのだろうが、よくわからない。 ソニーの「Red Disc」はもっとひどくてコンセプトは 「ティンパン系と日本語ポップスの成熟/東京ロッカーズの台頭」である。 まあ、東京ロッカーズも日本語へのこだわりはあったけど、 ティンパン系と東京ロッカーズでは、音楽的には水と油である。 (もちろん、坂本龍一がフリクションをプロデュースしたがったという事実もあったりするわけだが) DISC1の、あぶらだこ〜細野晴臣という流れはあえて狙ったのではあろうが、 DISC2の浜田省吾〜大貫妙子という流れは、それ以上に共通項皆無という気がする。 いや、共通してなきゃなんないってことはないし、 大貫妙子と浜田省吾の両方を褒め称えた渋谷陽一っていう人もいるからいいのか。 http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/loft/ 東芝の「Green Disc」は「80'sジャパニーズロックの隆盛/耽美はロックの奇跡」 という、いいいよもってコンセプトがあるんだかないんだかよくわかんないものである。 (「耽美はロックの奇跡」は「耽美派ロックの奇跡」の間違いであろうが、堂々と文字を画像化してるし、 ALT表示のテキストでも同じなので、あながち間違いとも言い切れない) DISC1はバンド・ブーム中心で「80'sジャパニーズロックの隆盛」らしいのだが、 なぜだかパンタやRCが入っていたりする。 そりゃパンタやRCも80年代に活躍はしてたけど(笑)。 DISC2が「耽美は(派)ロックの奇跡(軌跡?)」ということで ヴィジュアル系のルーツをたどっているのだが、 なぜか前半は日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタルになっている。 http://www.toshiba-emi.co.jp/st/special/loft/ コロムビアの「Blue Disc- 日本語ロックの浸透と新しい波」と ビクターの「Yellow Disc- オルタナティヴ〜ラウド〜ミクスチャー・ロックの躍進」は ほかの3枚に比べるとまだまとまったアルバムになっている。 どっちも「パンクっぽいロックン・ロール」というゆるいコンセプトにしたことが 功を奏したのかもしれない。 でも、コロムビアもDISC2はちょっとめちゃくちゃだな。 RC〜有頂天、泉谷しげる〜電気グルーヴといったつなぎはミスマッチを狙った気もするけど。 http://columbia.jp/loft/ http://www.jvcmusic.co.jp/loft/ それにしても意外だったのは、5作中3作にTheピーズが収録されてること。 3作に収録されてるというのはルースターズと同じ扱いである。 というわけで、次はTheピーズのライヴについて書こうかな。 あ、原稿料が出るわけでもないのに、こんなに宣伝してしまった。 |
ROCK is LOFT !? 高橋かしこ 2006/6/8 16:43 ←いまここ〜 |
Theピーズ at 雨の野音 高橋かしこ 2006/6/9 19:02 |
Re: PANTA&HAL LIVE! 高橋かしこ 2006/6/13 17:09 |
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