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発掘原稿: Limbo-54 への道 (16)

2003年11月ころ、FAMIGA投稿用に書いたインタラクティヴ・ライヴ「Limbo-54」とAMIGAの仕込みに関する発掘原稿です。
2002年3月に始まった仕込みのことから書きはじめ、ようやく2003年4月・5月のライヴ本番の話まで書き終わりました。
発掘原稿はこれで最後です。


Interactive Live 2003 への道 — その16 そうは問屋が卸さなかった篇

●アクシデントその2

5月4日・東京公演初日、PowerTowerA4000が激不調となりました。
アニメーションが同じ箇所をいったりきたりするなどの怪現象が起き、特にオープニングとエンディングという重要な箇所のの演出にかなりひびきました。
初めて見る人は「こういう演出なのかな」と思っていたようですが、大阪公演を見た人にはしっかり気づかれました。
なんとかこの日のコンサートはなんとか乗り切ったのですが、明日の最終日にはこのような事態をなんとか回避しなくてはなりません。
シリアスなはずの場面で笑いをとっちゃいかんのです。

そのため5月5日はリハーサル前にAmigaのチェックです。
原因のひとつはグラフィック・カードのグラつきだろうということで工作活動が得意なサウンド・エンジニアの鎮z氏に手伝っていただき、しっかりカードを固定しました。

また、いざという時のためにHighFlyerA4000もスタンバイさせ、昨日までのデータをコピーしたりせねばなりません。
スウィッチ・オン!! ……起動しません。
またかよ。
しかし、こいつをメンテナンスしている時間はなさそうです。
HighFlyerは諦めて本番に臨むことにいました。

幸いグラフィック・カードののメンテナンスが功を奏したのか本番ではPowerTowerA4000が問題なく稼働。
コンサートは大団円を迎えることができました。

●その後のA1200HD/30

ライヴも無事終了し、ステージで使用されたAmigaはメンテナンスのため
いったんわたしの事務所へと運ばれてきました。

死亡かと思われていたA1200HD/030は、問題なく起動しました。
仮死だったようです。
ただ、よく見るとちゃんとケース(筐体)はしまっていないわ、FDDは固定ネジが外れてヘンな位置にずれているためディスクの出し入れできないわ、といった状態なので、分解してチェックすることに。
ケースは汚れもひどいのでまずは水洗い(笑)。ネジ穴が壊れている箇所はエポキシで補修。足りないネジ類を補完し、組み立て直しました。

●その後のPowerTowerA4000

こちらも分解、チェック、再組み立てしました。
移動中の衝撃か、ライヴ中の振動か、ネジがいくつも外れていました。
また、ライヴ最終日に会場でメンテナンスした際、CPUとグラフィックカードのクーリング・ファンに電源ケーブルをつなぐのを忘れていたことも発覚。
本番中に熱暴走しなくてよかったです。
ニッカド電池は念のためニッケル水素電池に交換しておきました。

ついでにサウンドカードも挿してみましたが、どうにも音が鳴りません。
動作確認リストと照合し、チップの型番までチェックして買ったカードなので適合するはずですし、Prefsではカード自体は認識しているようなのですが、いかんせん鳴りません。謎です。
しかし、これは平沢さんのメイン・マシンなので早急に筑波のスタジオへ返す必要があます。
サウンド・カードについてはペンディングのまま、PowerTowerA4000は5月20日、筑波へと戻っていきました。

●その後のA4000/040(D)

しばらくほうっておいたのですが、7月にオークションでドイツからよさげなマザーボードを安価でゲット。
昨年の失敗は繰り返すことなく、非常にクリーンなよいマザーボードで、バッテリもニッケル水素に交換してありました。
売り主はメイルのやりとりから根っからのアミーガンであることがうかがえましたが、根はいかにも「律儀なドイツ人」といった感じです。

WarpEngineを装着した場合に起動まで異様に時間がかかる理由も判明しました。
ハードディスクをつないでいないのにWarpEngineのSCSIをAutoBootに設定しているといつまでもSCSI器機を探してしまうようです。
WarpEngineのSCSIコントローラとA4000のマザーボード上のIDEコントローラが競合してしまうのかもしれません。
A2000のようにマザーボード上にディスクコントローラがない機種でもSCSIカードを複数挿し、AutoBootに設定していると同様の現象が起きます。
「理由も判明」といっておきながらちっとも判明はしてないのですが(笑)。
WarpEngineのAutoBootをオフにしておくと問題なのでよしとしたました。

ところで、わたしの許へやってきたマザーボードは昨年からこれで通算何枚目になるのでしょう(笑)。
どうやらマザーボード6号にあたるようですね。
このA4000にもCD-ROMや内蔵スキャンダブラ/フリッカフィクサなんぞも取り付け、システムも整備し、いっちょまえになりました。

●その後のHighFlyerA4000

このHighFlyerはどうにもこうにもたたられているようで、ライヴ後もPAR用ハードディスクが死亡するなど多くのトラブルに見舞われました。
急いでなかったとはいえメンテナンスが終了したのは8月も末になってからです。

起動したりしなかったりする原因はIDEケーブルの断線のようでした。
CD-ROMドライヴと電源の間にぎっちり挟まれていたのが悪かったのか、それとも安物を使ってしまったのが悪かったのか。
IDEケーブルの曲がり方によって起動したりしなかったりすることが判明したのです。
IDEコントローラも疑ったのですが、そうじゃなくてよかったです。
起動するしないのほかの挙動不審の原因もこれにあったのかもしれません。
ケーブルを新調することで、問題は起きなくなりました。
ずいぶん昔、PCの専門家に「ケーブルは安物を使ってはいけない」と言われたことがありますが、その通りだったようです。
素人はドライヴなどに金をかけるくせにケーブルなどはついケチりがちですからね。

その後、電源の改良も施しました。
詳しくは9番会議室「コモドールアミーガを噛め」に書きましたが、HighFlyerは無駄に2個も電源ついているので、A4000本来の電源を外しPC電源に一本化したわけです。
本来の「棒で押すスウィッチ」は取り外し、形状の似たスウィッチを削ったりパテで埋めたりしてはめこみました(笑)。
ただ、たまに電源が入らないことがあるのが困りものです。
マザーボードから電源コネクタ抜いてスウィッチをオンオフすると直ったりするのですが、これはPowerTowerでも見られた現象です。
ATX電源をATに変換しているせいかもしれません。
素人の予想としては、PowerGoodに適正な電流が流れていないのではないかと考えています。

●さらにその後のA4000/040(D)

コンポジット出力機器でTVモニタに出力するとモノクロになったり、どうもげせない部分がありました。
周辺機器のほうが悪いのかとも思いましたが、違ったようです。

このA4000に搭載されているマザーボードはドイツから買った中古品で、つまりもともとはPAL環境で使われていたもの。
ですからもちろん、日本で使うにあたっては、ジャンパJ212をNTSCにセッティングしております。

わたしはそれだけでよいと思っていたのですが、ダメだったんですね。
PAL用の28.375156MHzのクリスタル(水晶発振子)をNTSC用の28.63636MHzにつけかえなくてはいけないんですね。
幸い、A4000のクリスタルはソケットタイプで付け替えは簡単ですし、死んだNTSCマザーボードが手許に残っていたので、そのクリスタルを外して使いました。
というわけで、ヴェテラン・ユーザには常識なのでしょうが、備忘録がわりにここに記しておきます。

さて、朝起きて顔洗って歯を磨いてご飯を食べました〜という小学生の作文のようにだらだらと書き綴ってきましたが、特にこれといったオチもなく、
1年間の記録はこれにて終了。
いよいよ明日(2003年11月26日)にはDVD『INTERACTIVE LIVE SHOW 2003 LIMBO-54』がリリースされます。
通販のみの販売ですので、ご興味がある方は下記までどうぞ。

ブックレットには三吉さんの文章も掲載されたりしています。
「FAMIGA (@nifty Amiga Forum) インタラクティブ・ライブ要素技術支援プロジェクト」という実はたいへん正式名称が長いプロジェクトの成果の一端を垣間見ることができるでしょう。

長々とおつきあいいただきありがとうございました。

LIMBO-54

『Interactive Live Show 2003 LIMBO-54』 2003年11月26日発売 ケイオスユニオン(TESLAKITE) CHTE-0026

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